こんにちは!
通訳案内士のaiです。
日曜日は在日外国人・日本人向けに二子玉川ツアー、
月曜日は、プラットフォーム「triple lights」を通して依頼のあったゲストにプライベートツアーを実施。
2日間の合計歩行距離は20kmにも及び、ガイドらしい健康的な生活を送っています。(笑)
まだガイドを初めて1年半ほどですが、昨日のゲストから
「あなたがガイドで本当に良かった。」
と嬉しい言葉をいただき、5つ星レビューもいただくことが出来ました。
一生懸命準備したツアーだったので、感動もひとしお。
思い返すと、通訳案内士の資格と知識を有しており、ご期待に添えたことが高評価に繋がったように思います。
2018年1月に法律が改正し、
通訳案内士の資格を有していなくとも、誰でも報酬をもらいながらガイドすることが出来るようになりました。
ですが、実感としては、やはり
「資格を持っていて良かった」
と思うことの方が多いです。
また、2020年2月現在、通訳案内士の資格を持っている方は40代以上が半数を占めています。
なので、20・30代の方が資格を持っていると、それだけで
「この人は若いのによくやっているな」
「まだ年齢は若いが、資格を持っているので信用できる」
と、大きなアピールポイントになるのも事実。
この記事では、国家資格「全国通訳案内士」の資格を取得する4つのメリットについて、実際に有資格者である私が、リアルな目線でご紹介します。
若い方こそ、ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。
圧倒的知識量でガイドに自信がつく

合格率15.6%の、難関国家資格として知られる全国通訳案内士。
ただ語学が堪能であればよいわけではなく、その語学力を用いて、日本文化を正しく伝えることが求められる職業です。
網羅しなければならない範囲は、日本史・日本地理・一般教養など多岐にわたり、試験でも同様の知識量を問う設問が並びます。
そのため、通訳案内士と公的に名乗れるようになるためには、日本文化に広く精通している必要があるのです。
取得までに費やす勉強時間は人によって異なりますが、
毎日1-2時間ずつ勉強したとしても、少なくとも半年はかかるかもしれません。
というのも、
ガイドの新人研修でご一緒した方々の中に、
“「CEL」という英語学校の通訳案内士コースに通っていた”
という方が多くいらっしゃったからです。
人によっては、数ヶ月で取得してしまうこともあるようですが、
やはり毎日少しでも一定の勉強時間は確保し、長期的な計画を練って取り組む方が、より合格に近づくかもしれませんね。
なかなか大変ではありますが、本当に資格が欲しければ、時間を捻出することは不可能ではないはず。
実際に私も、社会人一年目の時に独学で取得しています。
日々新しい業務に追われ、社内資格の勉強もしなければいけない中、国家資格のための勉強をすることは正直かなりしんどい時もありました。
ですが、毎日終業後に最寄りのスタバへ通い、最低2時間の猛勉強を続けた結果、なんとか合格することが出来たのです。
それだけの勉強をしているのですから、資格を有していないガイドに比べ、ある程度の知識は有していると思っていますし、
実際に、ゲストから予想外の質問が飛んできた時も、自分の知識を元に慌てることなく対応できます。
やはり、知っていることが増えるほど、
自分にも、ガイド力にも自信がつきますね。
ゲストから選んでもらいやすい

先ほどの “圧倒的知識量でガイドに自信がつく” の延長。
つまり、「国家資格」を有し、実際に他のゲストから高評価のレビューがあると、そのプロフィールを見た初対面のゲストでも信頼され、
複数のガイドの中から選んでもらいやすくなるのです。
「この間参加したツアーのガイドは、なんだかただ国際交流したいだけだったみたい。」
「居酒屋に行っても、”これはEdamameだよ!”とか、”これは餃子(dumplings)だよ!Very unique!”と、見たら分かる説明しかしてくれなくて、萎えちゃった。(笑)」
プライベートツアーに参加いただいたゲストから、言われた言葉です。
もちろん、ゲストによってツアーに求めるニーズは異なってきますので、一概には言えない部分もあります。
ですが、せっかくお金を払って参加してくれているのですから、
「自分の知らない情報=ゲストにとって価値となる情報」
を提供することは、ガイドとして当然の義務ですよね。
咄嗟に説明するのは難しいかもしれませんが、日本文化について幅広い知識が求められる通訳案内士であれば、
・その食べ物が日本にやってきた背景や歴史
・普段日本人はどういうシーンで食べるのか
・お気に入りの食べ方はあるか
ぐらいはある程度説明できはず。
ゲストに”今まで知らなかった情報”を提供することができ、満足感の向上に繋がるでしょう。
旅行会社と雇用契約を締結できる

また、国家資格を保持しているという公的証明は、雇用にも大きく響いてきます。
法改正により、いくらガイドの門戸が広がったといっても、やはり旅行会社やツアーを専門に手がける企業は、確かな知識を有した信頼の置けるガイドを雇いたいもの。
ガイドの募集要項に、「通訳案内士資格を有していること」と予め規定されているケースも多いです。
(出典:JTB-GMT)
また、私も今までに数々の面接を受けてきましたが、資格を有していることが大きなアピールポイントになり、採用に繋がったことも何度かありました。
ですので、仕事の幅を広げるためにも、通訳案内士の資格は持っておくに越したことはないでしょう。
報酬が良い

ガイドと通訳案内士の大きな違いの一つに、報酬が挙げられます。
無資格ガイドを中心に、インバウンドツアーを展開する企業などは、ものにもよりますが時給換算すると¥1,200~¥1,400程度が平均。
ツアーの平均時間は2~3時間ですので、ツアー1本の報酬はおおよそ¥2,400~¥4,200になります。
対して、通訳案内士の時給は¥3,000が平均。
ツアーの平均時間は、半日(4時間)ないし1日(8時間)になりますので、ツアー1本の報酬は¥12,000~¥24,000となります。
まぁ、ここから手数料や経費が引かれてしまうと、実際の手取りはもう少し低くなるのですが、、
1時間あたりの報酬でいうと、通訳案内士の方が断然羽振りが良いと言えますね。
本記事のまとめ

いかがでしたでしょうか?
通訳案内士の資格を取る4つのメリットについて、リアルな視点からご紹介しました。
とはいえ、はじめから資格取得を目指す必要はありません。
無資格でもガイドを募集している企業はたくさんありますし、
まずはガイドを体験してみて、職業としてみたいと思った時に資格取得を目指すのでも構わないはず。
以下に、ガイド向きな人、通訳案内士向きな人なついてもまとめてみました。
ガイド | 通訳案内士 | |
目的 | 訪日外国人と友達になりたい | 訪日外国人に、日本の文化を正しく伝えたい 一生忘れられない思い出作りの一助になりたい |
就業形態の位置付け | アルバイト・副業 | 本業・複業の中の一つ |
理想収入 | そこまで稼ぐ気持ちはあまりない 少しでも収入の足しになればそれで良い | ガイドだけで生計を立てられるようになりたい |
自分がどの程度のレベル感なのか、参考になれば幸いです。
この記事を書いた人

“数ある国の中から、わざわざ日本を選んでくれた外国人に、1人でも多く。 正しい知識を持ってリアルな日本を伝え、恩返しをしたい。”
合格率15.6%の難関国家資格「全国通訳案内士」を、23歳という若さで2017年12月に取得。以降、フリーランスの通訳案内士として、東京を拠点に活躍中。趣味はお散歩とカフェ巡り。
旅行好きの両親に恵まれ、幼少期から日本全国を旅し、これまで訪れた都道府県は33県以上。 学生時代はホステルにて勤務、卒業後は旅行業界最大手である株式会社JTBに新卒入社を果たす。
観光業に日々従事する中で、”観光地だけでない、ローカルだけが知っているディープな東京を伝えたい”という思いから「Tokyo Hidden Gems」というコミュニティを2018年4月に立ち上げる。メンバーは2019年10月現在、400人超え。
#feellikealocal #deeptokyo をキーワードにこれまで6回、東京の穴場を巡る街歩きツアーを開催。 参加者である在日外国人経営者や、大使館勤務の方、ハーバードより入学が困難と言われているミネルバ大学の学生から高い評価をいただいている。
Instagram @tokyohiddengems
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