こんにちは!
通訳案内士のAiです。
先日、私の両国ツアーへ、税務署に勤めているというアメリカのゲストがいらっしゃいました。
とてもフレンドリーな20代後半のカップルで、私も案内していてとても楽しかったのですが、さすがは税理士。いただく質問はどれもお金に関するものばかり。
幸い、私はファイナンシャルプランナーの資格も持っていますし(3級ですが笑)、フリーランスとして確定申告もしているので、日本の社会保障に関してはある程度答えることが出来ました。
が、やはりところどころ専門用語が出てくると、その意味を毎回推測しなくてはならず、
「きちんと英語で抑えておけばよかった、、」
と痛感。(笑)
そこで今回、「これだけは抑えておきたいガイド英語」と題して、社会保障費に関する英単語をまとめてみました。
私のような思いをしないためにも、ぜひブックマークし、困った時はいつでも参照できるようにしておくことをオススメします。(笑)
また、本記事後半では、ゲストから教えてもらったアメリカの社会保障体制についてもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください!
社会保障に関する英単語まとめ

社会保障 | social security |
社会保障費 | social security charges/ cost |
年金 | pension |
健康保険 | health insurance |
年収 | yearly salary |
月収 | monthly salary |
物価 | prices |
生活費 | cost of living |
所得税 | income tax |
消費税 | consumption tax |
確定申告 | tax return |
税務署 | tax office |
税理士 | tax accountant |
知っていましたか?
「社会保障」は英語で、”Social Security” っていうんです。
日本語で”社会保障”というと、高齢化社会に対しての福祉支援というイメージが強いような感じがしますが(私だけでしょうか)、英語になると”Security”(安全)という単語が入ってくるのです。
軍事費に巨額の投資をしているだけあり、”国防”、つまり”国を守る”という強い意思が英単語からひしひしと伝わってきますよね。
私は最初、”Security”と聞いても何のことかイマイチピンと来ず、話の流れから勝手に”年金”のことだと思っていました。
(まあ、年金も立派な社会保障費の一部ですから、あながち間違ってもいないんですけどね。笑)
“健康保険 = Health Insurance”
は、そのまま直訳しただけなので、覚えるまでもなく簡単に分かりそうですが
“年金 = Pension “
“確定申告 = Tax Return”
は、いざという時なかなか出てきませんし、
“消費税 = Consumption Tax”
も、意外と忘れてしまいがち。
一緒に覚えておくとベストです。
また、ここでいう生活費(Cost of Living)には、実際にその土地での生活にかかっている費用、つまり住宅費・交通費・交遊費・食費などが全て含まれているため、物価(prices)とほぼ同意義となる点に注意しましょう。
日本の社会保障ってどうなの?ゲストから実際に聞かれた質問集

税理士の方々を相手に、話題は半分ほどが金銭関係。
なんでも、将来仕事を退職したら、日本への移住を視野に入れているそう。
社会保障の話から、日本で生活していく上での必要経費、例えば毎月いくらあれば生活できるのかなど、様々なトピックについてお話ししました。
本記事では、ゲストからいただいた質問をいくつか抜粋してご紹介します!
日本の平均年収はいくら?

年収(Yearly Salary)について聞かれたら、まず新卒の初任給平均を答えておけば間違いないでしょう。
最終学歴や企業規模、業界によっても全く変わってきますが、日本では新卒の平均月収の目安は約20万円(¥200,000/ two hundreds thuthands yen) とされていますよね。
ですので、年換算すると約240万円(¥2,400,000/ two point four million yen)となります。
また、もう少し年次が上がると、年収400万円(¥4,00,000/ four million yen)が一つの基準として言われますよね。
残念ながら、世界的に見るとこの年収はあまり高い方ではありません。
◆平均給料国別ランキング(1〜20位)◆
1位 スイス 1073万円
2位 ノルウェー 921万円
3位 ルクセンブルク 899万円
4位 デンマーク 835万円
5位 オーストリア 791万円
6位 アイルランド 767万円
7位 オランダ 685万円
8位 アメリカ 645万円
9位 ベルギー 641万円
10位 カナダ 638万円
11位 スウェーデン 624万円
12位 イギリス 614万円
13位 フィンランド 608万円
14位 オーストラリア 599万円
15位 ドイツ 547万円
16位 フランス 541万円
17位 イタリア 431万円
18位 日本 429万円
19位 イスラエル 408万円
20位 スペイン 403万円 1ドル=113円(2017年12月時)
(出典:IZANAU)
そのため、海外のゲストはこの数字にびっくりされる方が多いのですが、
「物価もそれほど高くないので、その年収でも十分に暮らしていける」
ということを口添えすると、納得される場合が多かったです。
2018年度世界の物価
(出典:IZANAU)
東京の家賃平均はいくら?居住形態は?

これも、本当によく聞かれる質問。
一人暮らしなのか、実家住まいなのか、居住形態も合わせて聞かれます。
というのも、海外では経済的・地理的理由により、シェアハウス・ルームシェア文化が普及している国がとても多いのです。
特に、アメリカなどでは顕著ですね。大学進学以降、ほとんどの学生は皆親元を離れ、学生寮やルームシェアで暮らし始めるのが普通。(私の経験則でいえば、ドイツやポーランドはそうでもないようですが)
ですので、日本の場合はどうなのか、かなり気になるようですね。
私は生まれも育ちも東京なので、友人も自然とそのような境遇が多く、在学中は実家から通っている友人がほとんど。(社会人になると、親元を離れ、一人で暮らし始める人がちらほら。)
ゲストに聞かれたら、そのように正直に答えています。
家賃に関しては、これも部屋の広さや都心・駅からの近さによって全く変わってきますのでなんとも言えませんが、
指標としてよく使われる「¥65,000, for one bed room」と答える場合が多いです。
日本での所得税はどうなっているの?

さすがは税理士らしい質問ですね(苦笑)
知らない人もいるかもしれませんので、簡単にお伝えしておくと
日本の所得税率は、所得が高くなると支払う税率が上がる「累進課税制度(progressive tax)」と言う仕組みを採用しています。
所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万~330万円 | 10% | 97,500円 |
330万~695万円 | 20% | 427,500円 |
695万~900万円 | 23% | 636,000円 |
900万~1800万円 | 33% | 1,536,000円 |
1800万~4000万円 | 40% | 2,796,000円 |
4000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
所得税は上記の表に基づき、
所得税(income tax)=所得金額 (income amount)×税率(tax rate)−控除額(deduction)
という式で求めることができます。(あくまで参考程度に載せておきます)
実際には、確定申告や各種控除により計算通りの結果にはならないことが多いのですが、ここでは割愛。
もし、ゲストから日本の所得税について聞かれたら、簡単に
「所得が大きくなれば、支払う税も増えるんだよ」
程度の答えでも、十分かもしれません。
日本の年金制度の仕組みは?

日本在住の20歳以上60歳未満の人全てに、加入が義務付けられている年金(pension)制度。
もう少し細かくいうと、
・全ての人が支払う義務のある年金が「国民年金(基礎年金)」
・企業など組織に所属している人が、国民年金に上乗せして支払う「厚生年金」
の2種類あります。
会社員の方は、会社からもらう給与明細に「厚生年金」という名目で、毎月決まった額が引き落とされていますよね。
(出典:いっしょに検証!公的年金)
このように、毎月定められた額を国に納めることにより、65歳以降、毎月一定額が国から「年金」として支給される、という仕組み。
65歳より早く年金を支給してもらうことも出来ますが、その場合、トータルで支給される額は減ります。(これは、アメリカも同じだそうです!)
また逆に、65歳より遅く年金を支給してもらう場合は、受け取る年金の額は増えます。
学生や所得が一定額以下の人は、役所で手続きをすることにより、毎月の支払いが”免除”されますが、その分、将来受け取ることになる年金額が減ってしまうそうです。
これぐらいは、”日本人の常識”として、しっかり頭に入れておきたいものですね。
コラム:アメリカの社会保障のリアル

ここからは、ゲストから聞いた「アメリカの社会保障の仕組み」についてご紹介します。
日本と似ている点もあれば、異なっている点もあり。
国がどのように国民と向き合っているのか、その実態が垣間見えますね。
海外移住した場合、年金は支給されない

ゲストと話を進めていくにつれ、アメリカの社会保障の仕組みが浮き彫りになってきました。
ゲストが「困っている」と口にしていたのは、年金などの話。
どうやら、ゲストの祖母(フィリピン系アメリカ人)が、安眠の地として祖国のフィリピンに帰りたいそうなのですが、もしそうした場合、海外移住扱いになってしまうので、年金を始めとした社会保障費はカットされてしまうとのこと。
「今まで何十年も国に納めてきたのに、あんまりだ」
と嘆いていました。
日本の場合、海外に住民票を移した後でも、公的年金に任意加入することで、年金を受給することは可能とされていますので、その点はまだ安心かもしれませんね。
かといって、年金を満額納めた場合でも、将来受給される額は100万円にも満たない僅かな額。
老後の二人暮らしには、1ヶ月30万円かかるというデータもありますから、二人合わせても半年ほどしか持ちません。
今のうちに、iDeCoやつみたてNISAなどで、老後の備えをしておきたいものですね!
会社員も確定申告をする

フリーランスの方は毎年頭を悩ませる一大行事、確定申告。
前年度の1月〜12月までの収入・経費を全て計算し書類を提出、所得税を収めるといういわば一大イベント。
私も毎年この時期になると、パソコンの画面とにらめっこし、領収書をまとめたりして準備に取り掛かっています。笑
会社員の場合は、雇用主である企業がまとめて「年末調整」という形で計算してくれるので基本的には不要になりますが、アメリカは違う模様。
どうやら、納税の義務は全て個人の責任になるそうで、会社員でも毎年確定申告をする必要があるようです。
計算などは雇用主がやってくれるようですが、それでも自分で納めるのは、少々面倒ですよね。日本の会社員の方、ラッキーでしたね!笑
それゆえ、確定申告の時期も、日本よりももう少しゆとりがあるようです。
日本では、2月中旬〜3月中旬の間にしなくてはなりませんが、
アメリカは4月15日まで。
日本よりも1ヶ月ほど余裕がありますね!
ただし、アメリカの税務署にとって、全国民が納税対象であるという事実はまさに地獄。
一番忙しいときは、土日関係なく毎日勤務し、朝9時から夜中の1時、2時まで働き続けているそう。
そのような時期には、月の労働時間は300時間にも及んでしまうそうです。
私が、1ヶ月も休暇をとって大丈夫だったのかと聞くと、
「それぐらい激しく働いているから、1ヶ月も休みを取るのはむしろ当然。でなければ、やっていけない(苦笑)」
との答えが。
日本の勤勉さは世界でも注目が集まっていますが、日本と並ぶほど、アメリカも残業大国として実は有名。
最近は、組織全体で残業をなくそうという動きが活発になっていますが、それでもまだ実質的に機能していない企業も多いですよね。
業務効率を上げ、少しでも生産性の高い働き方へと、企業全体が変わっていくことを願います。
さいごに

いかがでしたでしょうか?
社会保障費に関する英単語、および日本とアメリカの社会保障の仕組みについてご紹介しました。
いざという時に説明できず、恥ずかしい思いをしないためにも、普段から自分が何にお金を払っているのか、それによってどのような恩恵が受けられるのか。
きちんと頭に入れておくようにしましょう!
この記事を書いた人

“数ある国の中から、わざわざ日本を選んでくれた外国人に、1人でも多く。 正しい知識を持ってリアルな日本を伝え、恩返しをしたい。”
合格率15.6%の難関国家資格「全国通訳案内士」を、23歳という若さで2017年12月に取得。以降、フリーランスの通訳案内士として、東京を拠点に活躍中。趣味はお散歩とカフェ巡り。
旅行好きの両親に恵まれ、幼少期から日本全国を旅し、これまで訪れた都道府県は33県以上。 学生時代はホステルにて勤務、卒業後は旅行業界最大手である株式会社JTBに新卒入社を果たす。
観光業に日々従事する中で、”観光地だけでない、ローカルだけが知っているディープな東京を伝えたい”という思いから「Tokyo Hidden Gems」というコミュニティを2018年4月に立ち上げる。メンバーは2019年10月現在、400人超え。
#feellikealocal #deeptokyo をキーワードにこれまで6回、東京の穴場を巡る街歩きツアーを開催。 参加者である在日外国人経営者や、大使館勤務の方、ハーバードより入学が困難と言われているミネルバ大学の学生から高い評価をいただいている。
Instagram @tokyohiddengems
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