「以前、友達が海外から遊びに来た時に案内をしてあげたら、とても楽しかった。自分の語学力を生かして、自分の地元をもっとたくさんの人に案内してみたい!」
「日本に遊びに来ている外国人を案内してあげて友達になりたい!楽しく英語を喋れるようになりたい!」
「訪日外国人向けにガイドをしているが、自分でもオリジナルツアーを作ってみたくなった!」
この記事を読んでいる方は、こんな風に思っている方も多いのではないでしょうか?
フリーランスの通訳案内士として活動を開始し、はや1年半。
ガイド向けの様々なプラットフォームを使って、これまでに200人以上の訪日外国人を案内してきた私が、オリジナル町歩きツアーを作れるプラットフォームを厳選してご紹介します!
訪日外国人向けのサービスはもちろん、日本人でも楽しめるサービスまで。
まずは同じ内容で日本人向けにツアーを催行してみて、自信がついてきたら英語でやる、というのもありかもしれません。
早速見ていきましょう!
訪日外国人向けのプラットフォーム4選

Airbnb
2008年にサンフランシスコで生まれたプラットフォーム。
“暮らすように旅しよう”をテーマに、部屋を貸し出したいホストと部屋を借りたいゲストとのマッチングサービスとしてその地位を築いてきました。
そのairbnbが今日着手しているのが、体験の提供。
自分にしかできない体験を提供したいホストと、ユニークな体験をしてみたいゲストのマッチングです。
私も、2018年12月からほぼ1年弱にわたり、airbnbで実際に体験を提供してきましたが、参加者の9割以上は訪日外国人でした。
20代のソロトラベラーから、60代以上のアクティブなシニアまで。年齢もバラバラであれば、国もバラバラです。
統計として1番多いのはアメリカでしたが、最近はドイツ、ポーランドなどのヨーロッパからのゲストも目立ちます。
ツアーなどの体験をAirbnbサイト上で公開するためには、まずは体験内容をAirbnbに申請し、厳しい審査をパスする必要があります。
通常審査には数週間ほどかかり、パスするのはのはなかなか容易ではありませんが、審査がめでたく通り、自分で一から企画したツアーが掲載された時の感動はひとしお。
ツアー1件につき20%の手数料が取られますが、世界各国でこれほど浸透している大きなプラットフォームを利用しない手はないでしょう。
欧米圏の訪日外国人向けに、ツアーをやってみたい方はぜひトライしてみてください!
meetup
ニューヨークに本社を構え、世界中で約3,000万人が参加しているプラットフォーム。
簡単に言うと、国際交流や、共通の趣味を持つもの同士の交流を目的としたサークルのようなものが、地域・国別に多数掲載されているサービスになります。
パブクルールと題し、六本木のクラブを飲み歩く派手なグループから、ビジネスについて討論する真面目なグループ、毎週郊外へアウトドアに出かけるグループなど、個性豊かなものばかり。
日本におけるmeetupの立ち位置としては、英語を話したい日本人と、日本人の友達が欲しい在日外国人向けのプラットフォーム、という側面が強いかもしれません。
基本的には、グループごとに開かれる”オフ会”のようなイベントに参加し、メンバー同士の交流が図られることになります。
そのため、基本的には”その地域に暮らす人”同士、ひいては日本に暮らす人同士での交流になるのですが、イベントを開催していると、たまに訪日外国人が参加してくることもあります。
自分のツアーを開催ためには、まずオーガナイザーとして登録&課金し、自分のグループを作り、ある程度人数を増やすことから始めなければなりません。
ですが、逆にいえば、人数が集まってしまえばそれだけ参加してくれる見込みのある人も増えることになりますので、集客はそれほど難しくなくなります。
(出典:meetup)
私は2018年4月にグループを作り、半年ほど放置してしまったのですが、コンセプトが比較的明確だったからでしょうか。ありがたいことに、半年ほどでメンバーの人数が200人ほどになっていました。
自分が提供したいツアーのテーマが明確な方は、課金してでもぜひ自分のグループを作ってみることをオススメします!
Triple Lights

国家資格である「全国通訳案内士」のみが登録できるプラットフォーム。いわば、通訳案内士と訪日外国人のマッチングサービスですね。
通訳案内士は、サイト内でそれぞれ自分のページを持てるようになっており、プロフィールを拡充させたり、ツアーを企画したりして訪日外国人にアピールできるようになっています。
マッチングサービスといえど、通訳案内士側は訪日外国人からの問い合わせを待つしかなく、一方通行ではありますが、価格や空き時間は自由に設定できるため、まさに「フリーランス」の通訳案内士にとってはありがたいサービスであるといえます。
登録自体は無料なのですが、受注1件につき35%の手数料(2019年10月時点)が取られます。
Airbnbの手数料20%と比較しても高額ですが、同サービスよりも遥かに高額案件の受注が可能なことを鑑みると、ある程度は仕方ないかもしれません。
その分受注を増やし、手取り分を増やせるよう頑張りたいですね。
私は2019年9月からTriple Lightsを本格的に利用し始めましたが、毎週のように問い合わせが来ます。
そしてその多くは、
「お金という対価をきちんと払い、きちんとしたガイドから、きちんとした事実を知りたい」
といった、知的好奇心の旺盛なゲストです。
国は、アメリカやフィリピンなど、英語が母国語圏の国が多い印象。30代のソロトラベラーから、退職したばかりの60代のご夫婦まで、多岐に渡ります。
通訳案内士としてある程度実力がついてきた方、
ニーズに合わせて、様々なツアーを提案することがさほど苦に感じなくなってきた方にオススメです!
Huber

「友だちガイド(Tomodachi Guide)」をモットーとし、”ガイドをやってみたい日本人”と、”現地をよく知るローカルに案内してほしい訪日外国人”のマッチングサービスを提供しているプラットフォームです。
ガイドは2人1組となって案内にあたるので、
「初めてのガイドで不安」
「1人だとうまく案内できるかわからない」
といった方でも安心です!
現在、サイトから申請すれば基本的に誰でもガイドになれるようになっているのですが、元々は完全な紹介制でした。
その名残でしょうか、現在登録されているガイドの多くは学生であり、業界の中でもかなりフレッシュでフレンドリーな雰囲気があります。
私が登録していた当時は、”受信箱”のようなところに、ツアーを希望する訪日外国人の案件が掲載されており、その中で自分の興味関心と近く、親和性が高そうなゲストにツアーを提案→ゲストが承認→サブガイドを募集→ツアー開催という流れでした。
ガイド業は、個人プレイの仕事。
自由な反面、孤独との戦いでもあるのですが、2人1組でツアーを出来ることにより、その不安と孤独を全てカバーできてしまいます。
ガイド初心者の方には、特にオススメです!
日本人向けのプラットフォーム2選

TABICA

“暮らしマルシェ”をキーワードに、体験に特化したプラットフォームを提供しているのが、このTABICAです。
小田急線とコラボし、「小田急偏愛紀行」などとキャッチーなキャンペーンを打ち出したりしているので、名前を聞いたことがある方も多いかもしれませんね。
“体験に特化した、日本版Airbnb”というと分かりやすいでしょうか。旅行者でなくても、誰でも気軽にユニークな体験に参加できるのが特徴。
「ハロウィン和紙ランプのワークショップ」や「スリランカ料理体験」、「サツマイモ掘り体験」など、ホストの方が思考を凝らした貴重な体験が盛りだくさん。
2019年10月現在、なんと約8,000人もの方がホストとして登録されているそうです。
言語は今のところ日本語のみ対応しているため、利用者も必然的に日本人、もしくは日本語のわかる方のみに限られます。
ですので、
「まずは日本人向けにイベントをやってみて、手応えを確かめたい」
「イベントを開催することに慣れたい」
「お金を稼ぐよりは、交流重視」
といった方にオススメです。
一案件の単価は低めですが、その分ゲスト・ホストの双方が、気軽に楽しめることが出来るでしょう。
AND STORY

「”3時間の小さな旅”に出会う」をモットーとし、その名の通り、ホストの紡ぎ出す”物語”に光を当てたプラットフォームです。
東京メトロとコラボキャンペーンをやっており、電車の吊革広告などで見たことがある方も多いかもしれませんね。
こちらも、日本人向きという点ではTABICAと同じなのですが、サイトデザインやブランディングにかなりこだわって作られており、”20〜30代の、仕事もプライベートも頑張る女子”へ送る体験、という印象がします。
体験は申請制度になっており、掲載されるまでに最大1ヶ月ほどかかる場合もあるようですが、それほどブランディングには力を入れていると言えるでしょう。
「同世代の女子たちに、面白いワークショップをやってみたい」
「ほっこり、リラックスできる体験を作ってみたい」
という方は、AND STORYでトライしてみることをオススメします。
とはいっても、最初はなかなか体験のアイデアが思いつきませんよね。
そんな方々のために、アンケートに答えると、AND STORY側がツアーアイデアを出してくれるというキャンペーンもあるようです。
初めての方でも安心ですね!
まとめ

いかがでしたでしょうか?
オリジナルツアーを作れるプラットフォームを6つ、ご紹介しました。
こちらに、
- プラットフォームの利用者層(どんな人が利用しているか)
- ゲストからの予約の入りやすさ
- ツアー1件あたりの客単価(ガイドの収入の部分。プラットフォームの手数料は、ここでは無いものとします)
- プラットフォーム・サービスの使いやすさ
を、まとめて表にしてみました。
利用者層 | 予約の入りやすさ | ツアー1件あたりの客単価 | サービスの使いやすさ | |
Airbnb | 20〜30代/欧米圏 | ◎ | ¥2,000〜¥10,000 | ◎ |
meetup | 30〜40代/欧米圏の外国人と日本人 | ◎ | ¥0〜¥1,000 | ◎ |
Triple Lights | 30代〜/ 欧米圏の外国人 | ○ | ¥10,000〜 | ○ |
Huber | 20〜50代/ 外国人 | △ | ¥3,000〜 | ○ |
TABICA | 20〜50代/日本人 | ○ | ¥100〜 | ○ |
STORY | 20〜30代/日本人 | △ | ¥1,000〜 | ○ |
ツアー作りは、初めてしまえば、どんどん楽に、楽しくなってきます。
喜んでもらえた時、びっくりしてもらえた時の感動はひとしお。
是非みなさんも、これらのサービスを賢く利用して、ツアー作りにチャレンジしてみてくださいね。
この記事を書いた人

“数ある国の中から、わざわざ日本を選んでくれた外国人に、1人でも多く。 正しい知識を持ってリアルな日本を伝え、恩返しをしたい。”
合格率15.6%の難関国家資格「全国通訳案内士」を、23歳という若さで2017年12月に取得。以降、フリーランスの通訳案内士として、東京を拠点に活躍中。趣味はお散歩とカフェ巡り。
旅行好きの両親に恵まれ、幼少期から日本全国を旅し、これまで訪れた都道府県は33県以上。 学生時代はホステルにて勤務、卒業後は旅行業界最大手である株式会社JTBに新卒入社を果たす。
観光業に日々従事する中で、”観光地だけでない、ローカルだけが知っているディープな東京を伝えたい”という思いから「Tokyo Hidden Gems」というコミュニティを2018年4月に立ち上げる。メンバーは2019年10月現在、400人超え。#feellikealocal #deeptokyo をキーワードにこれまで6回、東京の穴場を巡る街歩きツアーを開催。 参加者である在日外国人経営者や、大使館勤務の方、ハーバードより入学が困難と言われているミネルバ大学の学生から高い評価をいただいている。
Instagram@tokyohiddengems