こんにちは。
フリーランス通訳案内士のAiです。
昨今のコロナウイルスの影響で、オリンピックを目前にし、大きな陰りが見える訪日業界。
最前線で訪日外国人を相手にしている私にとって、全く人ごとではありません。
まだそこまでの大きな損失は出ていませんが、
オリンピック中止がまことしとやかに囁かれており、直近の需要があまり見込めない状況で、
今後1年間果たして踏ん張ることが出来るのかどうか。
踏ん張れなかった場合は来年に撤退、つまりガイド業を廃業せざるを得ないと見ています。
今まで、もしもの時のリスクヘッジのため
2足、3足、4足、と履くわらじの数をだましだまし増やし、“複業”に奔走してきましたが、
いつまでたっても、様々なしんどさからは解放されず。
この業界のボラティリティの高さは、もはや疑いようがないことがこれでハッキリしましたし、
そろそろ私の体力的にも、精神的にも、
フリーランスを続けていくことの限界が近づいていると痛感します。
本記事では、
「私がこの2年間で身を沁みて感じた、フリーランスの難しさ」
について、ご紹介します。
「フリーランス、かっこいい!すごい!」
いえいえ、全くそんなことはありません。
フリーランスは確かに魅力的に映るかもしれませんが、
いわば1人経営者。
自由と引き換えに背負う社会的責任が、あまりにも大きすぎるので、
相応の覚悟がなければ務まりません。
実際、フリーランス開業から1年以内に、
60%の人が廃業している、というデータもあります。
フリーランスを検討されている方は、
フリーランスのメリットとデメリットをきちんと理解し、
リスクヘッジの方法を考えておくことが、非常に重要です。
経済的な不安定さ

フリーランスの難しさとしてまずあげられるのが、
経済的不安定さです。
フリーランスの収入は、締結できた雇用契約や案件数に比例するため、
もちろん案件をいただけなければ、収入はありません。
フリーランス開業時に相応のスキルと人脈を有していれば
開業時からある程度の収入は見込めるかもしれませんが、
そうでなければ最初から無一文になってしまう危険も孕んでいます。
そうでなくとも、
来週、または来月の収入予測がなかなか立てづらいのがフリーランス。
雇用契約として締結できるのは、
いわば正社員とアルバイトの間にあたる「業務委託」となり
正社員だけでは追えていない業務をスポットで補う立場になります。
企業にとっては
業務委託を育てる義務も
継続的に仕事を提供し続ける義務もないので、
(こんな言い方をしてはあれですが)
必要がなくなれば、首を切られる可能性は十分にあります。
このように、
フリーランスは、突然仕事が打ち切られる可能性と常に隣り合わせ。
毎月固定収入をもらえる業務委託契約であれば別ですが、
そのような案件数はあまり多くないのが現状です。
年間を通じた収入計画が立てられないため、
明確なキャリアプランを立てることが難しく、
先が見えない不安には常に苛まれます。
膨大なタスク

次に挙げられるのは、膨大なタスク量です。
冒頭でもお伝えしたように、フリーランスは1人社長。
競合を分析し売上戦略を立て、
案件をもらうために自分を営業し、
実際にサービスを提供して次に生かす、
という一連の流れを全て1人でやらなければなりません。
時には助言を仰ぐこともあるかもしれませんが、
基本的には全て自分1人で決断する必要があります。
常に周りを見渡し、まさに人一倍高速でPDCAサイクルを回していかないと、
いつの間にか
自分のサービスが全く売れなくなっていた、なんてこともあります。
落ち込んだ売上は、自分の収入に直結しますので
業界やターゲットのニーズ変化には機微に気づき、柔軟な対応が必要なのだと、
身を以て痛感しました。
仕事とプライベートの見境がなくなる

これは業種にもよるのかもしれませんが、
家でも稼働できる業務内容の場合、つまりリモートワークが可能な場合、
そのうち仕事とプライベートの見境がなくなってきます。
そもそも、「仕事とプライベートを分ける」という考えは、
自宅以外の場所に ”仕事場” が存在していることを前提とし、成り立っています。
仕事場(職場)があるからこそ、
仕事場=仕事をする場所
自宅=帰る場所、体を休める場所
という分別が成立するのであり、
この前提条件が崩れると、自宅=体を休める場所 だけではなくなります。
つまり
自宅=体を休める場所+仕事をする場所
となるため、仕事モードから真に解放されることは難しくなるのです。
強いて言えば、
私の場合の”職場”=Mac(いつも持ち歩いているMacbook air)周辺
という感じですかね。
フリーランスの醍醐味としてよく挙げられることの一つに、
「いつでもどこでも、(好きな時に)休める」
というのがありますが、
裏を返せば
「いつでもどこでも、働ける」
ということ。
地理的・時間的制約から解放される分、
自分が体調不良になった時でも、時間をずらしたりすれば働けてしまうので、
体調不良は言い訳として通用しません。
もちろん、土日祝なんて関係ありません。
「家が職場になることで、仕事とプライベートが無くなるのであれば、
カフェやコワーキングスペースに行けば良いのではないか」
と、お考えになった方もいるかもしれません。
話の筋としては合っていますが、
フリーランス開業からあまり間もない場合は、
経済的余裕が無い場合がほとんどかと思いますので、まずは経費削減を意識するはずです。
たまになら私も行きますが、
「場所代」と称してカフェへ頻繁に赴くことはできませんし、
そんな潤沢な資金も持ち合わせていません。
コワーキングスペースは、
最近はやっと月額数千円とリーズナブルなものも見受けられるようになってきましたが、
やはりそこまでの交通費や移動時間なども鑑みると、
初めから家で作業した方が、金銭的メリットは大きいと言えるでしょう。
本記事のまとめ

いかがでしたでしょうか?
フリーランスに憧れていた方は
びっくりされたかもしれませんし、
既にフリーランスであれば
「わかる!」
と、共感いただけたのでは無いでしょうか。
フリーランスになるのは簡単ですが、
その分大きな社会的リスクが伴います。
しっかりとデメリットも押さえ、
あとあと
「こんなはずじゃなかった、、」
などということが無いようにしましょう。
この記事を書いた人

“数ある国の中から、わざわざ日本を選んでくれた外国人に、1人でも多く。 正しい知識を持ってリアルな日本を伝え、恩返しをしたい。”
合格率15.6%の難関国家資格「全国通訳案内士」を、23歳という若さで2017年12月に取得。以降、フリーランスの通訳案内士として、東京を拠点に活躍中。趣味はお散歩とカフェ巡り。
旅行好きの両親に恵まれ、幼少期から日本全国を旅し、これまで訪れた都道府県は33県以上。 学生時代はホステルにて勤務、卒業後は旅行業界最大手である株式会社JTBに新卒入社を果たす。
観光業に日々従事する中で、”観光地だけでない、ローカルだけが知っているディープな東京を伝えたい”という思いから「Tokyo Hidden Gems」というコミュニティを2018年4月に立ち上げる。メンバーは2019年10月現在、400人超え。
#feellikealocal #deeptokyo をキーワードにこれまで6回、東京の穴場を巡る街歩きツアーを開催。 参加者である在日外国人経営者や、大使館勤務の方、ハーバードより入学が困難と言われているミネルバ大学の学生から高い評価をいただいている。
Instagram @tokyohiddengems
related posts