こんにちは!
通訳案内士のaiです。
今日も朝からお天気が悪く、外は土砂降り。
今朝予定していた、隅田川沿いを歩く町歩きツアーは、川の増水などや先日の台風の影響など安全面を考慮し、やむなく中止にしました。
町歩きツアーを行う上で難しいのが、天候不順。
こればかりは、防ぎようもありません。
とはいえ、ツアーを楽しみにしているゲストのことを考えると、直前の中止は出来れば避けたいもの。
今回の記事では、雨や雪、台風など、悪天候でツアー開催が難しい場合の対処法をご紹介します。
日程を変更する

一番無難な方法がこれです。
何も、わざわざ天候の悪い日にツアーを開催する必要はありません。
もし無理にその日に開催したとして、例えば強風などでゲストが怪我をしてしまった場合は、その責任は開催の判断を下したホストにあるのです。
せっかくの旅行で怪我をしてしまっては、楽しい旅行の思い出が台無し。
安全面を最優先に考え、適切な判断をすることが大切です。
もしゲストが他の日程で空きがあるのであれば、その日にツアーを延期しましょう。
ただし海外の方は、日本人ほど雨天を気にしない方も正直多いのが現状。
例えば、日本人だったら、少量の雨でも傘を差す人が比較的多い印象がありますが、海外の方はレインコートで済ませる方も多いですし、あるいはレインコートすら着用せず、そのまま雨に打たれることすらあまり躊躇しません。
ですので、日本人のような感覚で「雨天中止」と言ってしまうと、
「このホストはツアーをやりたくないのかな」
と思われてしまう可能性があります。
ですので、日本における自然災害の大切さをきちんと伝え、雨天中止はやむを得ない判断であると理解してもらえるように努めましょう。
ツアー行程を短縮・変更して開催する

2つ目は、ツアー行程を短縮・変更して開催する方法です。
これはツアーの行程にもよるのですが、もし行程内に美術館や、室内で楽しめるレクリエーション施設が含まれている場合、代替案としてそちらをメインで回るというのも一つの手。
あるいは、コース周辺にそのような施設がある場合は、そちらを訪れてみるのもありかもしれません。
ただしその場合、事前に予定していた行程とは全く異なるものになりますので、きちんとゲストに詳細を説明し、納得してもらう必要があります。
私の場合、開催している「両国ツアー」のコース周辺には、
・江戸東京博物館
・相撲博物館
・すみだ北斎美術館
・東京都現代美術館
など、大小様々な美術館・博物館があります。
正直、ガイドなしでも回れてしまいますので、ゲストとよく相談する必要がありますが、ゲストがアート好きな方であれば、行く価値は十分にあるかもしれませんね。
ただし、もちろんホストたるもの、きちんと説明できなければお話になりませんから、このように臨機応変に対応しなければいけない場合に備え、日頃から様々なスポットにアンテナを張っておくようにしましょう。
代わりに食事をご馳走する

3つ目は、食事をご馳走してあげる方法です。
2つ目の「ツアー行程を短縮」した場合、どうしても時間が余ってしまうので、その空いた時間を食事に充てるという案です。
今まで様々な国や地域からやってきた訪日外国人を案内してきましたが、皆口を揃えて「日本食が好き」と言います。
確かに、世界的に見ても他に類を見ないほど、日本の食文化はユニークな発展を遂げてきましたし、どれも心がこもっていて、見た目から楽しめるものも多いですよね。
最近やってくる訪日の方は、日本の食文化に非常に興味を持っていて、YouTubeやInstagramなどで綿密な下調べをしているケースがとても多いです。
いちいち「お好み焼き」が何であるか、”Japanese savory pancake”などと説明する必要もないですし、お昼に何が食べたいか聞くと「Soba」という答えすら返ってきます。
既に固有名詞で理解しているほど、日本の食文化に精通している方が非常に多く、私も毎回びっくりしてしまうほどです。(笑)
加えて、ローカルなツアーに参加してくれる方の多くは、ホストとの交流を求めている場合がほとんど。
例えば、地元で美味しいご飯が食べられるお店だったり、流行っていることや音楽だったり、家族や友達との関係だったり。
ガイドブックがあれば回れてしまう中、わざわざガイド付きのツアーに参加してくれるゲストは、このような”ガイドブックには載っていない体験”を真に求めているのです。
外で観光地を巡ることが叶わないのなら、中で美味しいものを食べる。
あなただけが知っている、美味しいご飯が食べられる穴場のお店を紹介してあげるだけでも、きっと喜んでもらえるに違いありません。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
「悪天候でツアー開催が難しい場合の、3つの対処法」をご紹介しました。
・日程を変更する
・ツアー行程を短縮・変更する
・美味しいご飯をご馳走する
どれも些細なことですが、ホストのホスピタリティ次第でレビューの評価を落とさず、喜んでもらえる方法は他にもいくらでもあるはずです。
逆に言えば、”雨だからこそ”ホストの手腕が問われていると言っても、過言ではありません。
警報が出ている場合などはやむを得ないかもしれませんが、できれば雨天中止は避け、せっかく予定を空けててくれたゲストのためにも、最大限気持ちよく過ごしてもらえるようベストを尽くしましょう!
また、どうしてもツアー開催が難しそうな場合は、なるべく早くゲストにその旨を伝えるようにしましょう。
この記事を書いた人

“数ある国の中から、わざわざ日本を選んでくれた外国人に、1人でも多く。 正しい知識を持ってリアルな日本を伝え、恩返しをしたい。”
合格率15.6%の難関国家資格「全国通訳案内士」を、23歳という若さで2017年12月に取得。以降、フリーランスの通訳案内士として、東京を拠点に活躍中。趣味はお散歩とカフェ巡り。
旅行好きの両親に恵まれ、幼少期から日本全国を旅し、これまで訪れた都道府県は33県以上。 学生時代はホステルにて勤務、卒業後は旅行業界最大手である株式会社JTBに新卒入社を果たす。
観光業に日々従事する中で、”観光地だけでない、ローカルだけが知っているディープな東京を伝えたい”という思いから「Tokyo Hidden Gems」というコミュニティを2018年4月に立ち上げる。メンバーは2019年10月現在、400人超え。#feellikealocal #deeptokyo をキーワードにこれまで6回、東京の穴場を巡る街歩きツアーを開催。 参加者である在日外国人経営者や、大使館勤務の方、ハーバードより入学が困難と言われているミネルバ大学の学生から高い評価をいただいている。
Instagram@tokyohiddengems
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